測定した実機のスペック構成は以下のとおり。
- Intel Core i7-11370H
- NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU
- 32 GB RAM
- 1TB SSD
Surface Studio 2+は上記の1スペックのみのラインナップとなりますので、使用環境などでスコアの変更はあるかもしれませんが、基本性能の目安になると思います。
「Surface Studio 2+」購入の際にパフォーマンスが気になる方の参考になればうれしいです。
それぞれのスコアは、当サイトでの計測結果です。複数回テストを行った場合は、平均値または最も良い値を掲載する方式を取っております。 同じスペック構成でもデバイスごとに個体差があるため、他サイトのベンチマーク結果と必ずしも一致しないことをご了承ください。
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「Surface Studio 2+」ベンチマーク性能比較。スペック別動作・ゲーム快適度。
・本レビューは、日本マイクロソフト様より商品を貸し出していただき執筆しています。
・当サイトは、マイクロソフトアフィリエイトプログラムを利用して紹介料を得ています。
「Surface Studio 2+」ベンチマークまとめ

Surface Studio 2+
CPUのベンチマーク結果
「Surface Studio 2+」のCPUをそれぞれのベンチマークソフトで計測した結果をまとめると次のことが言えます。
最初に結論
- 単体のCPUスコアではSurface Laptop 5/ Pro 9より低い
- グラフィックスを含めたマルチタスクは非常に高スコア
- ゲーム・動画編集などCG性能はSurfaceトップ
計測結果の詳細はこの後にまとめていますが、結論としては上記のとおりです。
Surface Studio 2+ではプロセッサにIntel Core第11世代CPUを搭載しているため、CPU単体のスコア比較では第12世代を搭載したSurface Laptop 5やSurface Pro 9には勝つことができません。
しかし、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 3060を搭載していることでゲームやアートなど3Dグラフィックスのパフォーマンスが非常に強力になっています。PC全般のパフォーマンスとしては、2023年2月時点のSurfaceシリーズで最もパワフルなモデルとなっています。
Webブラウジング、メール、WordやExcelなどのOfficeワーク、Web会議、動画閲覧などの一般的なPC業務はもちろん、3Dゲームやイラスト作成、画像・動画編集などの高負荷作業においても、まったく違和感なく快適な作業が可能と言えるでしょう。

ベンチマークソフト一覧
今回使用したベンチマークソフトは以下のとおり。
- Cinebench R23
- Geekbench 5
- CrystalDiskMark 8.0.1
- PassMark Perfomance Test 10.0
- PCMark 10
- 3D Mark - Time Spy
- 3D Mark - Fire Strike
- 3D Mark - Night Raid
- ドラゴンクエストX ベンチマーク
- ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク
計測時のバッテリー設定は、電源モード「高パフォーマンス」での計測となります。
当サイトでのベンチマークは、特定ソフトを一定条件下で実行してデバイスの動作速度や性能を数値化し、性能の比較を行っています。
基本的には数値が高いほど各パフォーマンス性能が高いということを示しますが、スコア数値はあくまでソフトのテスト内容における測定値であり、実際の使用におけるパフォーマンスとは異なるという点はご注意ください。
それでは各ベンチマークの結果を順番にご紹介します。

プロセッサ性能のベンチマーク

Microsoft
Surface Studio 2+では第11世代Intel Core(Tiger Lake)プロセッサが搭載されています。
前モデルより最大50%高速化しているということですが、実際のベンチマークはいかがでしょうか。
Cinebench R23
Cinebenchは、CPUの性能をスコア表示してくれるソフト。CPUの計算能力のみでCGを描画させることでCPU性能を数値化し比較するツールです。
最新版R23で、シングルコアとマルチコアをそれぞれ計測した結果を掲載します。

CINEBENCH R23 ベンチマーク結果
Multi Core | Single Core | |
---|---|---|
Surface Laptop 5 /Intel Core i7-1255U | 7842 | 1626 |
Surface Studio 2+ /Intel Core i7-11370H | 6213 | 1529 |
Surface Laptop Studio /Intel Core i7-11370H | 6106 | 1530 |
※Surface Laptop 5はi7モデルで比較しています。
シングルコア、マルチコアスコアともに高スコアをマークしています。同じ第11世代のIntel Core i7-11370Hを搭載するSurface Laptop Studioと同スコア帯となっています。
Surface Studio 2+の第11世代Tiger Lake-H35 CPUは、Surface Laptop 5やSurface Pro 9に搭載される第12世代のAlder Lake CPUと比較すると若干劣ってみえます。ですが、Surface Laptop 4やSurface Pro 8のTiger Lake-Uよりは消費電力が高いためパワフルで高いパフォーマンスが発揮できます。
一般的なビジネスやクリエイターワークでもほぼストレスなく実行できることでしょう。

Geekbench 5
Geekbenchはクロスプラットフォーム対応でCPU/GPU性能の測定を行えるベンチマークソフト。前述のCinebenchの計測結果を補完する目的で計測しています。
CPU性能

Geekbench 5 Score
CPU単体の性能としてはCinebenchのベンチマーク同様、Surface Laptop Stduioと同スコア帯、Surface Laptop 5より若干低い値となっています。
前モデルのSurface Studio 2と比較すると、47%ほどパフォーマンスアップしていますので、前モデルを使用している場合には買い替えで大幅なメリットがありそうです。
Multi Core | Single Core | |
---|---|---|
Surface Laptop 5 /Intel Core i7-1255U | 7853 | 1612 |
Surface Studio 2+ /Intel Core i7-11370H | 5834 | 1551 |
Surface Laptop Studio /Intel Core i7-11370H | 5780 | 1594 |
Surface Studio 2 /Intel Core i7-7820HQ | 3975 | 1055 |
※Surface Laptop 5はi7モデルで比較しています。
Compute性能

Geekbench 5 OpenCL Score

Geekbench 5 CUDA Score
デバイスの計算性能として、OpenCL、VulkanスコアおよびCUDAスコアを計測しました。CPU性能のほか、GPUなども含めた多要素での比較スコアです。
Surface Stduio 2+が圧倒的な強さで他を引き離すスコアとなっています。Surface Laptop StudioもdGPUを搭載していますが、上位のRTX 3060を搭載するSurface Studio 2+の方が大幅にグラフィックス性能が高いと言えます。
また、前モデルSurface Studio 2と比較してもOpenCLなどで2倍以上のスコアとなっていますので、グラフィックス処理における買い替えメリットは非常に大きいでしょう。
OpenCL | Vulkan | CUDA | |
---|---|---|---|
Surface Studio 2+ /GeForce RTX 3060 | 96088 | 70167 | 103501 |
Surface Laptop Studio /GeForce RTX 3050 Ti | 61883 | 45836 | 61552 |
Surface Studio 2 /GeForce GTX 1070 | 47713 | 48429 | 43927 |
Surface Laptop 5 /Intel Iris Xe Graphics | 18154 | 17041 | - |
- CPU性能はシングルコア、マルチコアともに前モデルから47%アップ
- グラフィックス性能を含めてもSurfaceトップのパフォーマンス

ストレージ性能のベンチマーク
CrystalDiskMark 8.0.1
CrystalDiskMarkはストレージのデータ転送速度を計測するベンチマークソフト。Surface Studio 2+に内蔵されるSSDストレージの速度を計測しました。
今回計測したSSDストレージは、以下のとおり。
- Surface Studio 2+ - 1TB

CrystalDiskMark ベンチマーク
SSD速度のベンチマーク結果は非常に良かったです。SurfaceシリーズのSSDはSurface Laptop 5、Surface Pro 9のモデルから高速化していますが、Surface Stduio 2+ではさらに高速化していました。一般的にSSD容量が大きいほど書き込み速度が速くなるといった特徴がありますが、Surface Stduio 2+では、読み込みも書き込みもSurfaceシリーズで最も高速でした。
前モデルSurface Stduio 2と比較しても読み込み速度で2倍近いスコアとなっており、大容量ファイルを扱う場合でもより快適なパフォーマンスが発揮されると期待されます。
SEQ1M Q8T1 Read MB/s |
SEQ1M Q8T1 Write MB/s |
|
---|---|---|
Surface Studio 2+ /SSD-1TB | 6495.07 | 4942.71 |
Surface Laptop 5 /SSD-512 GB | 3383.39 | 2515.31 |
Surface Studio 2 /SSD-1TB | 3112.07 | 947.62 |
- SSDストレージは前モデルより大幅に高速化

総合パフォーマンスのベンチマーク
PassMark PerfomanceTest 10.0
CPU、2D、3D、ディスク、メモリの5項目を計測し、PCの総合的なパフォーマンス性能を計測してくれるベンチマークソフトPassMark PerformanceTestを利用します。

PassMark パフォーマンステスト結果
結果はSurface Studio 2+が圧倒的なパワーで勝利です。やはり、プロセッサ、グラフィックスを合わせたPC全体の総合的なパフォーマンスはSurface Stduio 2+が最強でした。
この後の3Dグラフィックスやゲームベンチの結果を見てもSurface Stduio 2+のグラフィックス系スコアの高さは高評価でした。
Total Score | |
---|---|
Surface Studio 2+ | 6079.5 |
Surface Laptop Studio | 3471.4 |
Surface Laptop 5 | 3844.8 |
※Surface Laptop 5はi7モデルで比較しています。
PCMark 10
PCMark 10は、PCのアプリ実行におけるパフォーマンスを計測するベンチマークソフトで、PCを実際に使用した作業の快適性を計測できるツール。
計測項目は、Webサイトの表示、ビデオ会議、グラフィック表示、ドキュメント作成など多岐にわたり、PCで行う一般的な動作を網羅するようなテストとなっています。
メモリやストレージ容量も結果に大きく影響してくるため、純粋にCPU性能の比較ではありませんので、目安程度に考えてください。

PCMARK 10 ベンチマーク
Total Score | |
---|---|
Surface Studio 2+ | 5791 |
Surface Laptop Studio | 5575 |
Surface Laptop 5 | 5084 |
トータルスコアとしてはやはりSurface Studio 2+が高スコアをマークしています。
全般的なPC作業においてはSurface Stduio 2+が最も快適なパフォーマンスを発揮できると言えます。ビジネスやクリエイティブなど専門的なアプリケーションを使用する作業でも十分安心して利用できるでしょう。
- 一般的なPC作業は非常に快適
- グラフィックス系が高スコア

3Dグラフィックス ベンチマーク
3D Mark - Time Spy
Time SpyベンチマークはゲーミングPCの「DirectX 12」のグラフィックス性能を測定するベンチマークソフトです。

3D MARK - Time Spy
Surface Studio 2+は飛び抜けて優秀な結果となりました。dGPU搭載のSurface Laptop Studioと比較しても非常に高いスコアをマークしています。
Total Score | Graphics score | CPU score | |
---|---|---|---|
Surface Studio 2+ | 7578 | 8069 | 5635 |
Surface Laptop Studio | 4789 | 5547 | 5635 |
Surface Laptop 5 | 1763 | 1569 | 5962 |
※Surface Laptop 5はCore i7で比較しています。
3D Mark - Fire Strike
Fire Strikeベンチマークは、高性能なゲームパソコン用の「DirectX 11」のグラフィックス性能のテストです。

3D MARK - Time Spy
Surface Studio 2+の圧倒的強力さが発揮されています。
Total Score | Graphics | Physics | Combined | |
---|---|---|---|---|
Surface Studio 2+ | 15726 | 19111 | 13926 | 7369 |
Surface Laptop Studio | 10123 | 11139 | 14676 | 4710 |
Surface Laptop 5 | 4673 | 4932 | 18455 | 1860 |
※Surface Laptop 5はCore i7で比較しています。
3D Mark - Night Raid
Night Raidは、内蔵グラフィックスを搭載しているPCなどを対象とした「DirectX 12」のベンチマークテストです。

3D NIGHT RAID Benchmark
こちらもSurface Studio 2+が最強です。GPUを含めたトータルパフォーマンスで圧勝していますね。
Total Score | Graphics | CPU | |
---|---|---|---|
Surface Studio 2+ | 38271 | 75719 | 10065 |
Surface Laptop Studio | 26207 | 37475 | 9693 |
Surface Laptop 5 | 16237 | 19996 | 7863 |
※Surface Laptop 5はCore i7で比較しています。
ゲームベンチマーク
ドラゴンクエストXベンチマーク

SQUARE ENIX
比較的軽量なゲーム「ドラクエX」のベンチマークソフト。
ソフトでは、画質・ウィンドウサイズなどを設定できますが、今回は「最高品質」および「標準品質」、解像度1920 x 1080でテストを実施。
結果は、Surface Laptop Studioとほぼ同程度のスコアとなりました。軽量なゲームプレイであれば快適です。
最高品質 | 標準品質 | |
---|---|---|
Surface Studio 2+ | 21350 すごく快適 |
21375 すごく快適 |
Surface Laptop Studio | 20860 すごく快適 |
21135 すごく快適 |
FINAL FANTASY 14 ベンチマーク

SQUARE ENIX
中級クラスの重さとなるゲーム「FF14」のベンチマークソフトです。美しい画面描写が多く登場するゲームの快適度を計測できます。
こちらもプレイ時の画質と画面サイズを設定できるため、「ノートPC」の「高品質」と「標準品質」の2パターンで計測。
結果は「非常に快適」にプレイできるという高評価となりました。ここでもSurface Laptop Studioとほぼ同じスコアとなっています。
最高品質 | 標準品質 | |
---|---|---|
Surface Studio 2+ | 13009 非常に快適 |
16032 非常に快適 |
Surface Laptop Studio | 14266 非常に快適 |
15492 非常に快適 |
ベンチマークまとめ
最後にまとめます。
まとめ
- 単体のCPUスコアではSurface Laptop 5/ Pro 9より低い
- グラフィックスを含めたマルチタスクは非常に高スコア
- ゲーム・動画編集などCG性能はSurfaceトップ
さまざまなベンチマークソフトでの計測の結果、Surface Studio 2+はPCの全般的なパフォーマンスでSurfaceシリーズ中最強のパフォーマンスとなりました。
日常的に利用するWebサイトの閲覧、ビデオチャット、ドキュメント作成からクリエイティブな作業まで、複数のアプリを同時に実行する場面で非常に快適に動作します。パフォーマンスが要求される業務アプリでもスムーズな動作が期待できます。
Surfaceを選択する際の参考になればと思います。