マイクロソフトの2画面Android「Surface Duo 2」と「Surface Duo 1」のカメラ性能を比較してみました。
日本では2022年1月に発売した「Surface Duo 2」。
Surface Duo 2の総合的な実機レビューは別記事に書いていますが、ちょっと気になるカメラ性能についても詳しくレビューします。
「Surface Duo 2」ではダイナミックトリプルレンズのリアカメラを搭載し、前モデルより画質が大幅に向上しているとのこと。
前モデルのカメラの出来が今ひとつだっただけに最新モデルではどのくらい良くなっているのか気になるところですね。
というわけで、この記事では実際に「Surface Duo 2」と初代「Surface Duo」のカメラで写真を撮影し、実際にどの程度カメラ性能が向上しているかを確認していきましょう。
「Surface Duo 2」「Surface Duo 1」カメラ基本スペックの比較
まずは、「Surface Duo 2」と「Surface Duo(第1世代)」のカメラスペックを確認していきましょう。
大きな変更としては、「Surface Duo(第1世代)」ではカメラはディスプレイ上部のフロントカメラのみでしたが、「Surface Duo 2」ではデバイス背面にもリアカメラがあるという点が挙げられます。
「Surface Duo 2」では初代のカメラ評価の低さを払拭するためにリアカメラが搭載されました。最近の高性能スマホにあるような3眼レンズ(望遠、広角、超広角)となっていて、デバイス本体から突出しているのが特徴です。
具体的なカメラ性能はというと、こちら。
Surface Duo 2 | Surface Duo 1 | |
---|---|---|
リアカメラ |
|
- |
フロントカメラ | 12MP、f/2.0、24 mm、 1.0µm |
11MP、f/2.0、 1.0 µm |
「Surface Duo 2」で同じ位置から撮影した3枚の画像を撮り比べてみました。
カメラが3眼となったことにより、シーンに合わせて撮りたい写真をかんたんに撮れるようになっています。
一番広く撮れる超広角モードでは端へ向かう程に歪みが出てしまうのは仕方ないですが、超広角から望遠までの切替えも他のスマホカメラのようにかんたんに行えました。
「Surface Duo 2」「Surface Duo 1」カメラの撮影写真を比較
では実際に同じシチュエーションのもと「Surface Duo 1」「Surface Duo 2」で写真を撮影してみましたので、比較していきましょう。
写真画像はクリックで拡大できるようにしてあります。
風景写真を比較
まずは一般的な風景写真を撮影してみました。
画像を並べてみると「Surface Duo 1」ではくすんでいた青空が「Surface Duo 2」では鮮やかな青色に表現されているのがわかりますね。
左下の木々の緑色や右下の建物のレンガの色などを見てもわかりますが、全体的な色調がより綺麗に再現できるようになっています。
ズームアップを比較
先ほどと同じシーンで標準のカメラアプリ上で画像を拡大した状態を比較してみました。
色の鮮やかさは前述のとおりですが、拡大したときの人物の映り具合も「Surface Duo 2」の方がハッキリと映っています。
後方の「Oazo」の看板なんかも映りが全然違いますね。
こちらはカメラアプリ上で最大に拡大した場合の画像比較です。
「Surface Duo 2」の方が望遠が効くので遠くのものをよりハッキリと撮影することが可能です。
明暗差のあるシーンを比較
つづいて、日陰の場所から明るい方向を撮影した場合など明暗差のあるシーンを比較してみました。
比較すると「Surface Duo 1」では日陰となっている手前の道路が暗くくすんでいますし、青空とビルが交わる写真の中央部が白飛び気味になっていますが、「Surface Duo 2」では解消されているのがわかります。
カラフル、色合いのあるシーンを比較
色彩の多い場面、ものを撮影して比較してみました。
もう、「Surface Duo 2」の方が明らかに綺麗に撮れていますよね。イチョウの葉の鮮やかさが美しく映っています。
暗めの室内での撮影でも、「Surface Duo 2」の方がよりビビッドな色合いとなっていて、美味しそうに撮れています。
ポートレート写真を比較
人物や物などを撮影した場合に、背景をアプリ内でぼかす機能の比較です。
まず、標準でポートレートモードを選択した際のズーム倍率が全然違ってました。「Surface Duo 2」の方がアップで撮影されます。
比較してみると、「Surface Duo 2」の方がよりフォーカスされた被写体をハッキリ捉えているのがわかります。背景はふんわりボケているという感じです。
今思えば「Surface Duo 1」のポートレイトはぼかしが甘すぎて普通の撮影モードと変わらないような・・・?
写真を拡大して同じ倍率にしたのがこちら。
「Surface Duo 2」ではふわっとボケているのがわかりますね。被写体と背景との境界線がやや甘めという点は否めませんが、わりとキレイに撮れているかと思います。
それと比べると「Surface Duo 1」は背景がハッキリしすぎていて、これ本当にポートレート機能なの? と疑いたくなる仕上がりでした。
夜景シーンを比較
Surface Duo自体は特に夜景撮影に強いというわけではありませんが、暗くてもある程度の明るさがあるシーンでは撮影が可能です。
まずはこちら、夜の街頭シーンです。
パッと見た感じで明らかに違いがわかると思いますが、手前に映っている蜘蛛型のオブジェの見え方に差がありますね。
「Surface Duo 2」の方が暗闇の中でもくっきりとオブジェを映し出しているのがわかります。
拡大してみましょう。
蜘蛛の体部分の描写や背景のビルの映り方も「Surface Duo 2」の方がキレイに表現されています。
「Surface Duo 1」は黒くつぶれ、ぼやけてしまっていて、もはや何なのかがわからなくなってしまっています。
夜景ポートレートを比較
同じく夜景撮影です。Surface Duoに夜景ポートレートというモードはありませんが、暗いシーンで被写体に近寄って撮影してみました。
まずは普通に夜景撮影。
さらに被写体に近寄って撮影してみました。
やはり「Surface Duo 2」はキレイですね。手前のツリーがハッキリと映り、背景がふわっとぼけています。色合いも暖かなライトの光が再現できています。
「Surface Duo 1」と比較すると様々な点で明らかにカメラ性能がアップしているのがわかりますね。
「Surface Duo 2」カメラは確実に進歩しているが、まだ上はある!
撮影写真を比較すると一目瞭然ですが、「Surface Duo 2」のカメラはキレイになっていますよね。
インカメラ1つしかなかった「Duo 1」と比較すれば、3眼リアカメラとなった「Duo 2」の写真が良くなっているのは当然といえば当然なのですが、カメラ性能としては確実に進化しています。
日常の記録写真や風景、ちょっとしたスナップ写真なら普通に綺麗に撮れるレベルです。
「Surface Duo 1」ではかたくなにスマートフォンと呼ばれることを拒んできましたが、カメラ性能に力を入れるなど「Surface Duo 2」ではより"スマートフォン"に近づいてきたというところ。
ただ、ちょっと辛口に評価すれば、カメラ性能にはまだ上があるとは思います。
ものすごく綺麗になって、劇的に美しく感動的な写真が撮れるようになっているかと言えば、まだまだ上が目指せるはずなのです。
他社のスマートフォンと比較しても、それほど飛び抜けて写真がキレイという印象はなく、ようやく普通に写真が撮れるようになったという感じなのです。
「Surface Duo 2」これ以上のカメラ性能アップは必要か?
薄いブックスタイルの美しいフォルムが評価された「Surface Duo」でしたが、新モデル「Surface Duo 2」でカメラが突出することに違和感を唱えるユーザーが多かったのも事実です。上位スマホのようにカメラ性能を良くしてほしいというユーザーと、カメラは重要ではないからデザイン性を優先してほしいというユーザーで賛否分かれました。
この辺は「Surface Duo 2」をどう使うかによって違ってくるのだと思います。
普段からメインで利用するスマートフォンとして「Surface Duo 2」を考えているならカメラ機能は性能が高い方がよいと思うのでしょうが、電子書籍や動画などブラウジング専用の端末として利用する場合にはカメラは記録用として最低限の機能が利用できればOKと考えるでしょう。
個人的にも「Surface Duo」にカメラ性能はそこまで求めていないので、進化した「Surface Duo 2」のカメラ性能にとても満足しています。
それ以上に、「Surface Duo 1」でイライラしたインカメラを外側に向けたときにディスプレイがうまく切り替わらないバグがないだけでもストレスフリーになって良かったと思っています。
次期モデルではカメラ性能はそのままに、本体がフラットな埋め込み型カメラに近づくようにカメラを薄くするところに力を入れて欲しいと願っています。
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「Surface Duo 2」実機レビュー!2画面でマルチタスクや読書が快適!賛否あるけど僕は好き。