2022年秋に発売されると予測されているSurface Pro 9について、WindowsCentralのZac Bowden氏が4月、興味深い提言をしています。
Surface Pro 9はSurface Pro Xシリーズとブランドを統合すべきだというものです。
2つのデバイスは、同じWindows PCとしてほぼ同じことができ、筐体シャーシもほぼ同じデザイン。2つを別々のブランドにしておくのは何故ですかというのです。
国内ではほとんど話題にならなかったのですが、個人的には非常に面白いと思ったのでご紹介します。
最初に断っておきますが、これはリーク情報でもなんでもなく、Zac氏のマイクロソフトに対する提案だと思ってください。実現性を含めて可能性の一つに過ぎないということをご理解ください。
9/1追記
Zac Bowden氏が8/28のツイートで改めて可能性について強調した内容を追記。
(翻訳)
MSが今秋、Surface Pro XをメインのSurface Proラインへの統合を計画していると、私の情報源から聞いています。これは、Surface Pro "9"が初めて Intel と ARM の両方で利用可能になることを意味します。Windows on ARMにとって大きなマイルストーンです!
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Microsoft Surface 2022年10月に発表の新しいハードウェア予測まとめ【10/12発表済】
Surface Pro 9はARMとIntelで発売されるべき(希望)
Surface Pro Xは2022年秋で3周年を迎えます。Surface Pro Xシリーズは2019年、新しいデザイン、大画面、より薄いシャーシ、そしてARM SoCを搭載した新世代2-in-1デバイスとして誕生しました。
Surface Pro Xはパフォーマンスでは当時のSurface Pro 7より劣っていましたが、LTEの常時ネット接続可能で、バッテリー寿命が長いという特徴がありました。従来のSurface Proシリーズより薄くて軽く、ポータブルでスタイリッシュなデザインとなったのも特徴的でしたね。
しかし、ARMアーキテクチャによるアプリ互換性の問題があったり、既存アクセサリのSurface Proタイプカバーでは利用できないなど、いくつかの課題があったのも事実です。
海外メディアのWindowsCentralが面白い提言をしているのでご紹介します。
(和訳)
Surface Pro XとSurface Pro 8の違いが非常に小さいため、Microsoftは今年後半にSurface Pro 9ブランドの下で製品ラインを合併する時が来たと思う。マイクロソフトは、ARM SKUをエントリーレベルのモデルとして位置づける一方で、Intel Core i5およびIntel Core i7モデルを上位クラスのSKUおよびエンタープライズ顧客向けに維持することができます。Microsoft should merge the Surface Pro X with the Surface Pro 9 this fall - WindowsCentral
なんと、Surface Pro 9ではSurface Pro Xシリーズとブランドを統合し、「Surface Pro 9」の中にIntelモデルとARMモデルをリストするのはどうかというのです。
これはリークではなく、Zac氏の提案のようですが、非常に理にかなった提言であり、これが実現したら面白いですね。
2022年、Surface Pro 8が発売され、Surface Pro Xとの違いはプロセッサと内部構造、筐体の若干の厚みだけです。
Surface Pro XもSurface Pro 8も同じサイズの13インチ画面、内蔵LTE(国内は法人モデルのみ)、同様な筐体デザイン、バッテリー駆動時間もほぼ同じ。また、Surface Pro XのARM技術はWindows 11の進歩によりアプリの互換性は以前より大きく向上しています。2つのデバイスの違いは以前よりあいまいになっているのです。
次期Surface Pro X用プロセッサの候補であるSnapdragon 8cx Gen3は、第11世代のIntel Core i5/ i7に匹敵するパフォーマンスとなる可能性がありますが、Surface Pro 9には第12世代のIntel Core i5/ i7が搭載予定です。前者をエントリーモデル、後者を上位モデルと位置付けるとのこと。
実際、Surface Laptop 4ではAMDとIntelをそれぞれ搭載してブランド化されていますので、Surface Pro 9でもそれが可能なはずです。
9/1追記
Zac Bowden氏がツイートの中でSurface Pro 8とSurface Pro Xのシリーズ統合について改めてこの可能性について語っています。
Been hearing from my sources for a while now that MS is planning to merge the Surface Pro X under the main Surface Pro line this fall, meaning the Surface Pro "9" will be available in both Intel and ARM flavors for the first time. Big milestone for WoA!
— Zac Bowden (@zacbowden) August 28, 2022
(翻訳)
MSが今秋、Surface Pro XをメインのSurface Proラインへの統合を計画していると、私の情報源から聞いています。これは、Surface Pro "9"が初めて Intel と ARM の両方で利用可能になることを意味します。Windows on ARMにとって大きなマイルストーンです!
Surface Pro 9の発表が近くなったこのタイミングで改めて語っているあたり、シリーズ統合の可能性が非常に高いのだと思われます。
ツイートへの質問に対してZac氏は、ARMモデルでのみ5Gを採用する可能性があるのではないかとも発言しています。
ARMモデルでは、Snapdragon 8cx Gen3 SoCを改良したMicrosoft SQ3を搭載するとのことです。
Surface Pro Xの薄い筐体をやめる?
現在のSurface Pro 8とSurface Pro Xの筐体の大きな違いは、その厚さです。
Surface Pro 8が厚さ9.3mm、対してSurface Pro Xでは7.3mmです。Surface Pro 8では搭載プロセッサの熱効率などの関係もあり、若干の厚みを持たせた構造となっています。
Surface Pro 9で2シリーズが統合されるとしたら、シャーシデザインはそれぞれ現状維持の可能性もありますが、共通化する場合には、厚みのあるSurface Pro 8デザインの方へ統合されるでしょう。次の第12世代Intelプロセッサでは高パフォーマンスとなる分、より発熱すると思われるからです。廃熱機構を考えれば現状のSurface Pro 8より薄くできるとは思えません。
薄くてスタイリッシュなSurface Pro Xデザインを捨てて、Surface Pro 8の厚さとなるのは少し残念ですが、その分ARMモデルではバッテリー容量を増やして終日利用可能なバッテリー駆動時間となるか、冷却ファンを搭載することでパフォーマンスをアップさせるなど可能性は広がります(ファン搭載は賛否ありそうですが…)
実際の筐体が共通化されるのかどうか、気になるところです。
ARM Windowsを今後のスタンダードとする第一歩
Windowsにとって、ARMはまだマイナーなデバイスです。マイクロソフトが今後、ARMアーキテクチャをより一般的なデバイスとしていくためには、ARMデバイスをIntelやAMDモデルと同様のWindows PCとしてリストしてくことだと思います。
これまで、Surface Pro Xではアップデート時に「Pro X2」とは呼ばず、「Microsoft SQ2」というプロセッサVer.で区別していました。これも本予測への伏線なのかもと考えればなるほど納得できます。
Surface Pro 9でSurface Pro Xブランドと統合することで、「Surface Pro X」ブランド自体は一旦空っぽになります。マイクロソフトが次に新たな技術を製品化する際に再び「Surface Pro X」というブランドを使うことができるようになります。
Surface Pro 9がどうなるかはお楽しみ
Surface Pro 9ブランドが実際にどうなるのかは、まだ誰にもわかりません。
しかし、このアイデアは実現したら非常におもしろい内容だと思います。Surface Pro Xというブランド自体の立ち位置もあいまいになってきていますので、Surface Pro 9発売時のタイミングでこれが起きる可能性はゼロではないでしょうね。
結果がどうなるかはわかりませんが、2022年秋の発表が楽しみですね。
Surface Pro 9のスペックや仕様に関する予測は以下の記事でも書いています。興味がある方はご覧になってください。
「Surface Pro 9」発売日はいつ?2022年10月に発表の予測【10/12発表済】